沖縄の民話 ~アカナー~
- 2018年12月12日
- テーマ: 沖縄の民話
今月の満月は来週末の3連休。
こんな民話を思い出しながら、月を見上げてみても面白いかもしれません。
でもきっと子供たちは、サンタさんが来てくれるように明日のお天気を想像しながら空を見上げるんだろうなぁ(笑)
もうそんな時期か、、、
1年って早いですね。
ということで、今日はクリスマスにはサンタさんに変身する新米パパの名鏡さんから☆
沖縄の民話
月と聞いて浮かぶ動物は何ですか?
日本人ならきっと多くの人が「うさぎ」と答えるでしょうか。
海外だと「カニ」とか、「女の人」とか、さまざまな形に見えているそうですね。
沖縄には、「アカナーが住んでいる」という話もあるそうです。
アカナーって?
インターネットで検索すると、「バラフエダイ」という赤い魚が真っ先に出てきます。
沖縄ではこれを「アカナー」というそうです。
しかし、今回話題にしたいアカナーはまた別のアカナー。
先日、担任しているクラスに読み聞かせの方が来てくださり、いくつかお話を紹介してくださいました。
驚いたことに、その中の一つ(素話)が、沖縄の民話だったのです。
「沖縄の話です」
と紹介があった瞬間、一斉に私の方を振り返る子供たち(笑)
私がエイサーをやっていることを知っているからこそなんですけどね。
今日はそのアカナーの話を紹介したいと思います。
素話だったので、一言一句正確ではありません(>_<)
月にのぼったアカナー
髪の毛も体も真っ赤なことで、アカナーと呼ばれる幼く優しい男の子が、猿と一緒に仲良く暮らしていた。
ある年、アカナーの家にある桃の木が、たくさんの実をつけた。
猿はそこで
「桃を売りに行こう」
と言った。
「うん、いいよ。」
とアカナーは言った。
「ただ売るだけじゃなくて、売りっこ競争をしよう」
「うん、いいよ。」
「そんで、勝ったもんが、負けたもんの首を切ることにしよう。」
「うん、いいよ。」
答えてから、アカナーは驚いて
「いま、なんて言った?」
とたずねた。
「勝ったもんが、負けたもんの首を切るのさ。」
「そんな約束は嫌だ!」
とアカナーは言ったが、猿は
「もう約束しただろう。」
と言って聞こうとしない。
猿はかごを二つ用意して、桃の木に登った。
そして自分のかごには熟れた赤い桃だけを、アカナーのかごには青くてかたい桃ばかりを入れた。
そして上のところだけ、赤い桃を並べて入れた。
「早く帰った方が負けたものを殺すんだ」
と言って、猿は町へ出かけてしまった。
アカナーは仕方なく町へ出かけて桃を売ることにした。
猿の桃は赤くて熟れた桃だったので、すぐ売れた。
屋敷に帰ると、刀を研いで今か今かとアカナーの帰りを待っていた。
アカナーは必死に桃を売ろうとするが、青くてかたい桃など、誰も買っていかない。
猿との約束を思い出しては、涙を流した。
そうしているうちに、日が暮れ、月が昇った。アカナーは、
「お月さま、助けてください。何でもしますから。」
と願った。
アカナーを、かわいそうに思ったお月さまはかごを下ろし、アカナーを乗せると月へ引き上げた。
いつまでもアカナーが帰らないので、猿はずっと家で刀を研いでい
た。
しかし、勢いあまって自分の首をはねてしまった。
今でも月を見上げると、アカナーが月で働いているのが見える。
ひしゃくを持って水くみの仕事をしているのだ。
ちょっとずつ違う、、、?
聞いた話はこれでおしまいです。
『刀を研いでいて、間違って自分の首をはねてしまう』という猿もなんともおまぬけな感じですが、なんでそもそも賭けの内容が『相手の首を切る』なのか、、、
この猿は、アカナーに何か恨みでもあったんでしょうか?
このお話の背景が気になるところです。
インターネットでも検索してみたのですが、猿が自分の首をはねず、ただアカナーが助かって終わる話など、細部で違いがあるようです。
読み聞かせの方は、参考文献として
「オールカラー版 日本の民話16 沖縄」
を紹介してくださいましたが、これも猿は死なない話でした。
皆さんも機会があれば、沖縄の民話に触れてみてください。