空手演武~チャランケ祭~
昨日の記事で告知したとおり、今日は昇龍メンバーによる空手演武のご紹介☆
先日11月6日(日)に行われたイベント「中野チャランケ祭り」に来られた方は、ご覧になったと思いますが、お祭りの最初と最後に行われる「シタク」の中で、空手と古武道の型を少しアレンジして披露してきました!
早速、動画をご紹介♪
「抜砦 大」(バッサイ ダイ)
型名 「抜砦 大」(バッサイ ダイ) 演武:川上紘史
この型は古来、沖縄でかなり流行したものと言われています。
主に5種類が伝承されていて、「糸洲バッサイ」「松村バッサイ」「泊(松茂良)バッサイ」「親泊バッサイ」「石嶺バッサイ」があり、内容はそれぞれ少しずつ違います。
抜砦は「砦を抜く」と訓読します。
これは、「砦を撃ち落す」「砦を破る」という意味であり、型も攻防動作の変化に富んでいます。
突きから横受け、掛け手から足刀蹴り、輪受けから拳槌、肘当てからの払い受け、抱卵構えから双手突きなどの技が随所に組み込まれています。
赤嶺のヌンチャク
型名 「赤嶺のヌンチャク」 演武:川上紘史
この型は琉球古武道保存振興会2代目会長の赤嶺栄亮先生が創作された型です。
中段受けから敵の武器を弾き、無双構えからの頭部打ち、八字振り、顎突き、下段払いからの打ちなど、様々な技法が入っています。
他にも、この型が創作される以前に赤嶺先生の師匠である平信賢先生が創作された「前里のヌンチャク」があります。
平姓なのになぜ「前里」という名前なのか疑問ですよね。
実は平先生の母方の旧姓が前里だったそうです。
平先生はこの型を母に捧げる気持ちで作ったのかもしれないですね。
ヌンチャクはもともと伝承の型がなく、攻防の技術のみが伝承されていたので、平信賢先生は型の創案をある先生に委ねました。
それが、日本空手道糸洲会の坂上先生です。
当時、平先生は糸洲会総本部道場で古武道を教えていたため、そのご縁で坂上先生に委ねたと聞いています。
坂上先生が創作された型をベースに、前里のヌンチャクは成り立っています。
この事はあまり知られていません。
※ちなみに、かのブルース・リーは坂上先生の執筆されたヌンチャクの本からも技法を学んでいたことが明らかになっています。
周氏の棍 小
型名 「周氏の棍 小(しゅうしのこん しょう)」 演武:水野順一郎
この型は、中段突き、下段払いからの下段抜き棒、流し受け、正面打ち、顎打ちなどの技法が入っています。
今から100年以上前、首里の大名であった添石先生が創作された型です。
※空手でも琉球古武道でも、型名のあとに「大」とか「小」とつくものがありますが、「大」とは昔から伝承されている型のことで、「偉大なるもの」との意味を込めています。
一方で「小」とは後世の先生たちによって新たに創作されたもので、「卑小なるもの」という謙遜の気持ちを込めてそう呼びます。
それぞれの型や、空手の流派によって、色々な考えや背景があります。
それを掘り下げていくのも、沖縄の芸能を知るうえで必要なことかもしれません。
こちらのブログでは、気長に(ヨンナーヨンナー)そういう流れなども含め、紹介していきたいと思います。