沖縄のお墓
- 2017年04月5日
- テーマ: 沖縄のいろいろ
昨日は沖縄の伝統行事、シーミー(清明祭)についてご紹介しました。
シーミーは沖縄独特の行事ですが、そのシーミーの舞台となる沖縄のお墓も独特なんですよ!
今日はその沖縄のお墓についてのお話です。
沖縄のお墓
沖縄のお墓は大きく分けて2つの種類があります。
それが「亀甲墓」と「破風墓」
それぞれの特徴をご紹介します。
亀甲墓~カーミナクーバカ~
亀甲墓(かめこうばか・きっこうばか・カーミナクーバカ)の一番の特徴は屋根の形。
名前の通り亀の甲羅の様な形をしています。
そしてこの特徴的なお墓の形にも意味があります。
人の一生になぞらえ「母から生まれ、再び母に返っていく」というもの。
そのため、お墓自体が女性の子宮を表し、門構えは女性が足を開いている様子、そしてお墓の入口が産道にあたります。
生まれるとき、赤ちゃんは頭から出てきますよね?
その為お墓の中に入る時は、頭からではなくお尻から入らないとだめなんです。
奥が深いですね!
破風墓~ハフーバカ~
そして破風墓(はふばか・ハフーバカ)の特徴は三角形の屋根があり、家の形をしていること。
破風とは、屋根の作りの名前から来ています。
同じ家の形でも屋根の形が三角形でないものは「屋形墓」と言います。
沖縄の葬送文化
沖縄の葬送文化は、洞窟や岩陰に遺体を運んで風葬するというものでした。
時を経て、斜面や岩盤に横穴を掘り、石積みや漆喰で入口を閉じた墓「掘込墓」となりました。
さらに掘込墓の入口を切石で装飾したお墓が破風墓、上部を亀甲型に装飾したお墓が亀甲墓という具合に変化。
破風墓で代表的なのは世界遺産の一つにもなっている「玉陵(たまうどぅん)」と呼ばれるお墓。
この玉陵には、歴代の琉球国王が眠っています。
沖縄のお墓が一般道路の壁面にあったり、住宅の側にあるのはもともと風葬の習慣があったからなんですね。
現在、一般的に作られているこの2つのお墓ですが、琉球王国時代は、王族を含んだ門中(もんちゅう・ムンチュー)の墓だったんです。
門中とは、始祖を同じくする父系の血縁集団です。
それが廃藩地権をきっかけに庶民にも普及しました。
昔は一族全員が入れるように、
小さいものでも、
ただ、今では家族のみで入る場合が多いことや、風葬から火葬へと習慣が変わったこともあり、お墓が小型化しています。
とはいえ、本州のお墓とは違い、祖先供養の伝統行事が多い沖縄では、一族が集まれる様に、墓前に大きく敷地を取っているのも特徴の一つです。
調べていくと、沖縄は一族の繋がりが強く祖先を代々敬う凄い民族なんだと感じました。
自分にも沖縄の血が流れていることを誇らしく思います!
沖縄に行かれた際は、沖縄のどこにでも見かける独特のお墓を見るのも一興かと思います。
まさに沖縄の文化や歴史に触れられるひとつではないでしょうか?
銘苅