辻じゅり馬祭り
- 2018年03月28日
- テーマ: 伝統行事
先週末、私たちが沖縄フェアでイベント出演していましたが、その沖縄ではこんなお祭りが開催されていたようです。
その名も「辻じゅり馬祭り」
いったいどんな由来があるお祭りなのでしょうか?
「じゅり馬祭り」とは?
このお祭りは、旧暦の1月20日に商売繁盛と五穀豊穣を祈願するお祭り「二十日正月(ハチカソーガチ)」として、那覇市辻で行われます。
この「ジュリ」という言葉は、沖縄の方言で「遊女」のこと。
琉球時代、那覇には、三大遊郭地域というものがあり、辻もそのうちのひとつ。
その辻にある各遊郭から選ばれた遊女たちが、華やかに着飾り、馬の頭の飾りものをつけ「ユイユイ」と威勢よく声をあげながら、道路を練り歩くのがじゅり馬行列です。
(映像は昇龍祭太鼓もUPしてくださっているokinawamovieさんのYoutubeより)
琉球時代は家庭の事情などにより、親に売られてきた娘が多かったジュリ達。
借金を返済するまでは、自由に実家に帰ることは出来ません。
返済が終わっても周囲の目があり、実家に戻ることは難しかったと言います。
そんなジュリ達がこのお祭りの時だけは、外の世界にいる家族へ元気な姿を見せることが出来たのです。
(okinawamovieさんのYoutubeより)
かつては「那覇大綱挽き」「那覇ハーリー」と並んで那覇三大祭と呼ばれていました。
ですが、遊女たちが中心に行うお祭りと言うことで、1988年を最後に公娼制度を認めるものとして女性団体から反発され、お祭りの開催が中止に。
以来1999年までの12年間、このお祭りは途絶えていました。
伝統文化を後世へ
その一方で、
「伝統を継承していきたい」
「地域の活性化にもつながる」
との声が地元の人々から上がります。
「辻町を宣伝することで、観光客誘致にもつながる」
として2000年に再び開催に至り、現在では保存会が中心となりジュリ馬行列を行っています。
宮古島の「パーントゥ」を取り上げた時にも触れましたが、伝統行事に対し、一部の側面だけクローズアップして騒がれてしまうのは残念でなりません。
じゅり馬祭りの「公娼制度容認」、なまはげの「幼児虐待」、阿波踊りの「騒音公害」…
挙げたらキリがありません。
大切なのは、その行事の由来や背景、それにより育まれた文化もあるということにまでスポットを当て、後世に伝えていくことなのかな?と個人的には思います。
まだまだ自分の知らない伝統行事やそこに根付く文化などはたくさんあります。
どこかに旅行に行くときは、その土地の歴史やお祭りにもスポットを当てて訪ねてみると、また新しい発見があるかもしれませんね(^_-)-☆